カクレ鬼
時代は不祥。日本の山間に存在するのどかな町。夕暮れ時に,子供たちが隠れんぼで遊んでいる。火の見櫓の上で物見をしていた女忍者姿の***・*(18歳)は,空に浮かびかけた「赤い月」に気づき,不安げな表情へと変わっていった。激しい雷鳴と雷光,空に「赤い月」が出る夜には,決まって人喰い鬼が出没し,子供をさらって行くという古くからの言い伝えがあった。よりによって,男衆のいない女と子供だけの時に,あの恐ろしい鬼が現われるなんて……。 忘れもしない3年前,同じように「赤い月」が出た夜に,*と弟・飛影丸(7歳)は家の軒下に身を潜めていた。鬼が通り過ぎるのをじっと待っていたが,一瞬の隙に鬼の爪は飛影丸の襟を掴み,どこかへ連れ去ってしまった。幼い弟を失った*は復讐を誓い,厳しい武術修行をつんで,再び鬼が現われるのを待った……。 鬼がやって来るとの報せに,町は*然となり,...