花のお江戸の無責任
父親を闇打ちされた古屋助六は、仇討のために江戸へ向った。しかし相手の目印は、背中の刀傷だけという心ぼそさ。だが根っから陽性の助六は、そんなことは意に介さず「早いとこパッパッと勝負をつけて、半年ばかり楽しく江戸で遊んでこよう」と最高にゴキゲン。鈴ケ森にさしかかった助六は雲助に因縁をつけられている白井権八を「ブァーッ」と胸のすくタンカで助けだした。そこへ通りかかったのが、今売り出し中の侠客播随院長兵衛。助六と権八は、長兵衛の侠気にすっかり感激し、二人は長兵衛の家に居候することになった。ところが、長兵衛の女房おぎんは大変な女。ちょっとでも逆らおうものなら長ぎせるでポカリ。あげくに二人は、吉原で石焼芋屋をやらされるはめになった。二人は夜桜で賑わう仲の町を「イシヤキイーモー」と世にも情けない顔をして歩くのだった。そんな二人だが、ある日長兵衛の留守中に助けを求め...