ドキュメント 灰野敬二又名Document: Keiji Haino
七〇年代から現代に至るまでの四十年、高度経済成長、政治の季節を経て、曖昧模糊とした不確かな時代へと移り変わる中、頑なに自らの道を突き進んできた灰野敬二の生き方は、世界中の表現者たちに影響を与え続けている。だが、その存在は依然として大いなる謎として闇に包まれている。永遠と瞬間の刹那に生きる灰野敬二に向き合う時、私たちの体に隠されていた無数の<音>たちが静かに激しく呼覚まされるだろう… 可能性と不可能性の間で揺らぐ灰野敬二の**とした世界が、今ここに初めて立ち現わる。一瞬一瞬の消えゆく音を無限へと希求する灰野の祈りにも似た音楽は、如何にして生まれ得たか。音楽に一生を捧げた男の孤高の肖像を記録した白尾一博監督、渾身の一作だ。