風雲将棋谷
江戸にはさそりを使って娘をさらうさそり道人唐島宙斎と侠盗流れ星が出没していた。北町奉行所の岡ッ引仏の仁吉は、さみだれ縄の名手お絹と宙斎を、南奉行所の岡ッ引兼三は流れ星を追っていた。お絹は度々雨太郎に危険から救われたが、彼が流れ星とは知らなかった。宙斎一味はからくり御殿に隠れ、朱実という娘を探していた。呉*商の上州屋は娘お加世の警戒を仁吉に頼んだが、婚礼の夜に行方不明となり、お絹がお加世の死体を発見した。死体の傍の旅日記をお絹が取った時、男が現れ奪い合い、半分がお絹の手に残った。お絹はその男と連れの娘を追った。お絹を留守に訪れた雨太郎は日記を見付け隠れ家の西念寺に持ち帰った。日記には信濃の将棋谷に平家の末流の住む秘境があり多くの財宝を持ち、首長となるべき雪太郎は三歳の時姿を消し、彼を探しに許婚朱実が江戸へ行ったと記してあった。お絹の追った娘こそ朱実で、...