ほがらかな金魚たち
強引なマイウェイ娘、のり子。彼女に振りまわされっ放しの主人公、守。そして風変わりな友人たち。鈴木は何にでも唾を吐くので嫌われている。守の親友の一郎はホモで、守が好き。一郎のガールフレンドの直美は何でもマニュアル通りにしか行動できない。常に彼らは「何か面白いことないかなぁ」と呟くばかり。仲間の浜田がトイレの洗面器で入水自殺したことにも全く動じない彼らにとって、「死」なんてただの絵空事。けれど彼らも見入られたように、次々と自殺ゲームの主人公になっていく。最後まで生き残れるのは誰?個性豊にデフォルメされた登場人物たちが、無気力・無感動・厭世感が蔓延する当世の若者気質をクールに映し出し、不条理だがリアルな青春群像を活写した。