棟居刑事の青春の雲海又名ナゾの言葉「ぼん」と四人の美女!(新聞ラテ欄表記…「森村誠一の棟居刑事 失踪の夫は二度死ぬ ナゾの言葉「ぽん」と四人の美女!棟居刑事の青春の雲海…」)
警視庁捜査一課の棟居刑事(東山紀之)は休暇中、中央アルプス木曾駒ケ岳で矢吹勢津子(とよた真帆)という女性と知り合う。勢津子は神田の老舗『青華堂書店』の社長・矢吹正輝(冨家規政)の妻で、駒ヶ岳に登ると言い残して家を出たまま消息を絶っている夫を捜しに来たという。ただ、老舗の書店の社長という重責に耐え切れず、日頃から何もかも捨てて人生をやり直したいと言っていたので、もしかしたら夫は山に行くというのは口実でまったく別の場所で生きているのではないかと勢津子はいうのだ。実際に自分が駒ケ岳に来てみて夫は山には登らなかったと確信したという勢津子の言葉に、棟居は同情を禁じえない。1カ月後、新宿中央公園で垢じみた*を着たホームレスと思われる男の他殺体が発見される。死体は左ほほに大きなホクロがあり、右手首に外国製の高級腕時計をはめていた。男の所持品はわずか数百円で、なぜそ...