叛軍No.4
「青の会」に集った演出家の中でも、岩佐寿弥は、土本・小川らのソーシャル・ドキュメンタリー志向とは異なり、長篇デビュー作『ねじ式映画 私は女優?』(1969年)以来「映像で語る」行為自体の政治性を作品ごとに提示した。この『叛軍No.4』では、戦時中、叛乱行為で罪に問われた元二等兵が、これまで内密にしていた事実をとうとうと語り始めるが、その講演を終える瞬間、さらに映画の根源を揺るがす事実を明らかにする。この「叛軍」シリーズは、当初反戦自衛官・小西誠の裁判経過を収めたアジビラ映画(シネ・トラクト)であった。