若君と次男坊
南部盛岡二十万石の若君*之介は、父陸奥守に似て武芸一筋の堅物、一世一代のお見合に失敗したのも情*教育の不足という母お秋の方の肝入で、**道修業のため江戸表へ出されることになった。江戸家老浜島刑部は指導役に武家の次男坊望月圭**を選んだ。金が総てと割りきっている反面、足の不自由な兄慎一郎の就職資金を得ようと苦心しているウエットな所もある若者だ。江戸入した*之介がふとしたことから馬と着物を盗まれ、知らずにそれを買って着ていた圭**が*之介とバッタリ会ったことから互に盗人呼ばわりの喧嘩になったが、その後意気投合した二人は、早速お遊び修業に出掛けた。芸者のお色気攻勢にも酒にもビクともしなかった*之介が、掛小屋で花簪を拾ったことから踊り子お糸に一目ぼれするほどの心境の変化。圭**は材木商盤城屋の娘お絹と知り合ったが、その財産を物にしようと狙い、手段として刑部と...