神変麝香猫
柳生道之助は名前を夢想小天治と変え、松平伊豆守の命を受けて、幕府滅亡を狙う**天草の残党一味の動静を探っていた。切支丹を裏切った三好玄蕃、天草四郎を殺した陣佐左衛門の二人が相次いで殺される**が起った。その死体の周囲には、無気味な猫が群がり、そばには十字架が残されていた。小天治は犯人が天草の残党であることをしった。小天治は旧友丸橋忠弥をたずねた。そこで麝香猫のお林、むささび小僧たちをしった。そしてその周りに群る猫と、**渡来の麝香の香りも。ある日、小天治の許婚由美が誘拐された。助けに向った小天治は、危いところで由美を一味の手から救った。一味からはぐれたお林は、軍学師由比正雪の許に逃れた。正雪も忠弥もまた一味であり、お林は兄天草四郎の遺恨を果そうと、姿をかえてはいるが一味の首領であった。正雪はお林に、将軍家上覧能の日に、小姓に化けて城内に潜入し、江戸城...