向田邦子新春シリーズ「終わりのない童話」
昭和14年。夫を戦地で失った寺崎かなえ(**裕子)は、今は東京・池上にある実家で母親・里子(加藤治子)たちと生活している。かなえの弟・庄一郎(勝村政信)は亡父と同じ商工省に入り、末っ子の菊江(田畑智子)はまだ***だ。ある日、かなえは津雲浩太郎(石堂淑朗)という初老の男が捨てていった原稿用紙を拾う。従兄弟の修造(萩原聖人)によれば、津雲は元大学講師で左翼の理論的指導者だった。だが、獄中で転向を**してからは娘・滝子(**今日子)と世間の目を逃れるように暮らしているという。気になったかなえが原稿に目を通すと、それは書きかけの童話だった。結末が知りたくなったかなえは津雲の住所を調べて、彼を訪ねる…。