音楽五人男
音楽への希望を胸に抱き、暖かい友情に結ばれた仲間、山浦、沖吉、城、杉尾、若林の五人はガレージの二階に合宿していた。大家の娘光子は城にほのかな愛情を寄せていたが、彼らも彼女の純情にいつも励まされ、元気ずけられていた。ある日プロデューサーの塚本が合宿へ来て、城を音楽映画の主役に推薦したいという。その頃彼らの恩師が落莫の身を施療病院に養っていることを知った彼らは、報恩のため金策に奔走したが空しかった。山浦の昔なじみ小百合はこのことを聞き、金を工面した。山浦は小百合とともに独力で勉強するため山へ去ったが、残った四人もそれぞれの希望に向って第一歩を踏み出す。楽団に入った若林、映画で頑張る城、歌手の杉尾、作曲の沖吉。やがて彼らの努力も次第に認められてきた。山浦のコミック・オペッラも完成して、その発表の日、昔の仲間の特別出演で、沖吉の指揮棒につれて山浦貞一作ならび...