月の夜 星の朝
梁川りおは、バスケットボール部に所属する高校二年生。彼女には四つの頃、結婚を誓い、キスまでした坂本遼太郎という相手がいた。彼はその後、名古屋へ引っ越してしまい、二人の仲はそれきりになってしまったが、りおは古典で習った「筒井筒」のように、幼馴染みの男女が結ばれるというのを自分と遼太郎にあてはめて夢みていた。りおの高穂高と宿敵青柳高との男子バスケットの試合で、りおは青柳高のゼッケン7番をつけた遼太郎と再会する。先輩の森村からデートに誘われ、映画を見に行ったりおは、青柳高女子バスケット部の名プレーヤー龍川幸美と一緒の遼太郎に出会う。幸美と遼太郎は名古屋で共にプレーし、一緒に転校してきたらしい。取り反せない年月を思ってりおは悲しかったが、ダブルデートの後、遼太郎がりおの家の前で待っていた。遼太郎は両親が三年前に離婚したこと、父親の再婚の相手が幸美の母親である...